ミカルディスの効果
目次

ミカルディスは、テルミサルタンで知られている高血圧治療薬です。
高血圧で悩む方を中心に処方されており、血圧を下げて安定させるため、心臓や血管の負担を減らし病気予防に大きく貢献しています。
この他にも胆汁排泄による腎機能への負担が小さいこと、インスリン抵抗性という糖尿病への効果も知られているため、高血圧と腎障害、糖尿病などを患っている方に処方されています。
また他の高血圧治療薬と異なり、穏やかに作用して長期維持療法に効果を持つのも特徴となっています。

ミカルディスは、高血圧治療において大きな役割を果たしており、その効果を知ることでよりよい生活を目指せます。
ここでは期待できる効果を中心に紹介していきます。

ミカルディスは長期維持療法に向いている薬

ミカルディス(テルミサルタン)は、長期維持療法に適した高血圧治療薬です。
高血圧治療の投与は、数年間に及ぶことも珍しくありませんが、長期間服用すると腎機能に負担をかけることが知られています。
特にACE阻害薬などに比較すると穏やかに血圧が下がる効果があり、臓器を保護する働き、1度の服用で消失半減期が長い持続性の高さ、高血圧に伴う合併症に対して効果を持ちます。

ミカルディスに顕著なのは、内臓機能を保護する機能があることです。
最も知られているのが、心臓保護機能でしょう。
高血圧になると心臓に大きな負担をかけますが、血圧降下作用により負担を大きく軽減させるため、心不全や脳卒中などのリスクを半減してくれます。
生命維持に加えて、発病による身体障害リスクも減らせることになります。

ミカルディスは、腎機能の負担も軽減します。
腎機能は体内の余分な水分や老廃物を尿として排泄しますが、腎機能が低下すると尿中排泄機能が衰えてしまい、生活改善に加えて人工透析などを受けなければならないこともあります。
そんなときにミカルディスの胆汁排泄という特徴が、長期維持療法に貢献します。
服用した高血圧治療薬は、尿か便として排泄されますが、ミカルディスは肝機能で代謝され、小腸へと移動し便の中に混ざって排泄されるため、腎臓機能への負担が小さくなっています。

1度服用すると長時間効果が続くのもミカルディスが長期維持療法に適している理由です。
ミカルディスは消失半減期が20時間~24時間と非常に長くなっており、1日に1度服用するだけで20時間以上効果を持続します。
ACE阻害薬のような高血圧治療薬の消失半減期は約10時間~13時間とされており、約2倍もの間効果を持続するため、服用タイミングを忘れてしまうことも少なくなります。

高血圧治療薬では飲み忘れが大きな問題になります。
高血圧治療薬は、血圧を下げる効果を持ちますが、飲んだり飲まなかったりすると血圧が安定しづらくなったり、血圧の変化を上手く調整できないため、めまいや立ちくらみなどを感じやすくなります。
これらを回避するには医師に指示された時間に服用しなければなりません。

飲んだり飲まなかったりといった行為は、1日に複数回服用する高血圧治療薬で起こりがちです。
午前中に服用して体調が良いと感じてしまうと、もう服用しなくてよいと患者自身が判断してしまう場合があります。
医師の指示に従って服用することが治療に欠かせないため、良くない行動と言えるでしょう。
ミカルディスなら1日に1回の服用で長く効果を持続するので、服用調整を患者自身が行う動機づけもなくなり、効果的な治療を目指せます。

高血圧症の合併症に対しても効果を持つのも長期維持療法に適している理由になります。
高血圧患者の中には、腎臓症や糖尿病などを患っている方も珍しくありません。
腎臓症は腎機能の働きが低下してしまうと体内の老廃物や余分な水分を尿として排泄できなくなります。
そのため体がむくむなどの腎不全の症状が現れますが、ミカルディスのほとんどが肝機能で代謝して胆汁排泄されるため、腎機能への負担が小さくなっています。

最も多いのが高血圧と糖尿病を併発している方です。
糖尿病になると腎機能に負担をかけてしまい腎臓症を患うリスクが増加します。
ミカルディスは糖尿病の中でもインスリン抵抗性に対して一定の効果を発揮するため、高血圧とインスリン抵抗性糖尿病を併発している患者に処方できます。

ミカルディスは、長期維持療法に適した高血圧薬として処方されています。
他の高血圧薬に比較しても劣らない血圧降下作用を持つと同時に心臓や腎臓などの臓器を保護してくれるため、心臓病や腎臓障害に対するリスクを軽減します。
さらに消失半減期が極めて長いため、服用忘れを抑制しますし、インスリン抵抗性糖尿病に効果を持つため、多くの高血圧患者の生活を改善できます。

ミカルディス服用の際は定期的に血液検査をする

ミカルディス(テルミサルタン)を服用する際には、定期的に血液検査をしなければなりません。
血液検査では主にカリウム値、腎機能、肝機能値などを見ます。
これらの検査は、ミカルディスを服用することで生じる負担を確認し今後の治療方針を決定する上で欠かせないものとなっています。
血圧降下作用によるメリットと服用による負担の療法を比較検討しながら高血圧治療は進められます。

ミケルディスでは、腎機能を調べる目的でカリウム検査を行います。
電解質であるカリウムの約98%が細胞内にあり、それ以外のカリウムは血液の中に存在しています。
腎臓は細胞内と血液内のカリウムを調整維持する働きがあり、高カリウム血症などによって電解質のバランスが崩れてしまうと細胞膜に影響して心臓や神経、平滑筋などの機能を妨げてしまい命にかかわる重篤な状態に陥ることもあります。

腎機能値を知るための血液検査も行われます。
検査項目で重要視されるのが、クレアチニンという成分です。
筋肉内でエネルギーを蓄える役割を持っており、役割を終えると血液の流れによって腎臓に移動し濾過されて尿中排泄されます。
もし腎臓機能が弱っていると十分に濾過されないため、血中内にクレアチニン濃度が増加します。
このクレアチニンの血中濃度を見ることで腎機能働きを確認できます。

ミカルディスは、そのほとんどが胆汁排泄されるため、腎臓機能への負担が小さくなっていますが、僅かな成分が腎臓によって濾過され尿中排泄されるため、ミカルディスを服用することで腎機能に対して一時的に腎機能の低下が起こることも指摘されています。
腎機能の働きを検査することでミカルディスを継続的に処方するのか、別の高血圧治療薬を投与するかを決めていきます。
腎機能の低下が持続的であると服用中止されることもあります。

ミカルディスの成分のほとんどは、肝機能で代謝する特徴があります。定期的な血液検査を通じて、肝機能の働きを確認しなければなりません。
肝機能は物質の代謝、解毒、胆汁生成を行う他、胆管細胞や幹細胞へと血管が連なっています。
服用したミカルディスは、肝臓によって代謝され有効成分が血液を介して体内に吸収され、血圧を低下させます。
もし肝機能が低下すると肝臓内にある物質が血液の中に漏れ出してしまいます。

肝機能の検査ではALT(GPT)、AST(GOT)、ALP(アルカリフォスファターゼ)、LDH(乳酸脱水素酵素)などの値を確認します。
これらの物質は、肝臓内に存在しており、代謝や解毒、胆汁生成などの働きを助ける酵素ですが、肝機能が低下すると血液内に漏れ出すため、血中濃度を検査することで肝機能の働きも確認できます。
肝機能検査により、それぞれの数値が正常値を上回ったり、過去の値より上昇していると治療方針を変更する場合もあります。

この他にも血糖値検査が行われることがあります。これは高血圧と糖尿病を併発している患者に対して行われています。
ミカルディスはインスリン抵抗性糖尿病にも効果を持ちますが、糖尿病治療を受けている患者の中には低血糖の症状を発することがあるため、定期検査が行われています。
特に脱力感や空腹感、冷や汗、手の震え、集中力低下、痙攣や意識障害などを発する場合は、治療方針を変更される場合もあります。
この他にも骨髄不全による再生不良性貧血、自己抗体によって赤血球を異常に早く破壊してしまう溶血性貧血などでも定期的な血液検査が行われます。

ミカルディスを服用する際は、血中内のカリウム濃度や腎機能や肝機能の働きを確認することが求められるため、定期的な血液検査は欠かせません。
また糖尿病治療をしている方や貧血症状の治療をしている方も定期的な血液検査を行うことで状態を確認します。
これらの定期検査は、ミカルディスをより安全に服用氏高血圧治療をすすめるために行われています。

ミカルディスはゆっくりと血圧が下がる

ミカルディス(テルミサルタン)を服用すると体の血管が広がり、水分や電解質が調整されて血圧が下ります。
顕著な特徴として消失半減期が20時間~24時間と持続性が高く、時間をかけてゆっくりと血圧降下作用があります。
高血圧治療薬の中には、ACE阻害薬のように高い血圧降下作用を持つものもありますが、消失半減期は10時間~13時間ほどであるため、1日に2度服用しなければなりません。

ミカルディスのもつ作用機序が、ゆっくりと血圧を下げ、高い持続性をもたらします。
血圧の増加に深く関わっているのが、アンジオテンシンIIとAT1受容体とAT2受容体です。
アンジオテンシンIIという物質は、アンジオテンシノーゲンという物質が、レニンという酵素によってアンジオテンシンIへと変換され、さらにアンジオテンシンIがACE(アンジオテンシン変換酵素)によってアンジオテンシンIIに変換され、受容体と結合することで血圧を変動させます。

アンジオテンシンIIが、AT1受容体と結合すると体内で血管平滑筋収縮が起き、Na再吸収しはじめ、アルドステロンが分泌され血圧を上昇させます。
アンジオテンシンIIがAT2受容体と結合した場合は、血管平滑筋弛緩によりNa排泄されNO産生が起こり、血圧を低下させます。
ミカルディスは、血圧を上昇させるAT1受容体と選択的に結合することでアンジオテンシンIIが、AT1受容体と結合するのを阻害します。
このミカルディスの作用機序の特徴からARB(アンジオテンシンII・受容体・ブロッカー)と呼ばれています。

AT1受容体と結合したミカルディスは、長時間結合した状態を持続するため、消失半減期が20時間~24時間と長くなるため、服用回数を減らせます。
また血圧を上げろと命令されているアンジオテンシンIIが、結合すべきAT1受容体がないため、物質としての働きを止めたり、その一部がAT2受容体と結合するため、ゆっくりと血圧を下げる効果もあります。
ACE阻害薬の場合は、アンジオテンシンIからアンジオテンシンIIへの変換そのものを阻害するため、血圧低下作用も高いですが、消失期間が短く持続性が低いという特徴を持っています。

ミカルディスは、他の高血圧薬と比較すると血圧を下げる作用が穏やかなので、自律神経への刺激も抑制できます。
自律神経は、急激な血圧の低下に対して反応することが知られています。
勢い良く血圧が下がると危険だと判断し、心拍数を上昇させるよう命令を出してしまうため、心臓に負担をかけてしまいます。
ゆっくりと血圧を下げる効果を持つミカルディスは、自律神経の亢進を抑制してくれるため、血圧低下に伴うことのある心臓への負担も軽減できます。

この他にも血圧低下作用が急激すぎると、めまいやふらつきなども感じることもあります。
このような症状を感じると服用に不安を持ってしまったり、医師と相談することなく服用タイミングを調整してしまう患者がおり、高血圧治療を妨げてしまいます。
ミカルディスは、ゆっくりと血圧低下させるのでめまいやふらつきを軽減し、高血圧治療の継続性に大きく貢献しています。

高い持続性と穏やかに血圧を下げる作用は、高血圧治療を受ける患者にとって大きなメリットになっています。
1日1回、決められた時間に服用するだけなので服用忘れも防ぎます。
また穏やかな血圧低下作用により、高血圧治療に伴うふらつきやめまいなどの症状も緩和されため、仕事や家庭生活のQOLを向上させます。

ミカルディスは、数あるARBの中でも消失半減期の長さや持続性の高さが知られており、高血圧治療において有力な選択肢になっています。
穏やかに血圧を下げることでの心臓への負担を軽減できることや1日1度の服用で良いため、普段の生活の取り入れやすい高血圧治療薬として今後も処方されていくことでしょう。